【Harry Potter】 Missing Heart
第20章 瞬間心重ねて
瞬間心重ねて
夏休みの初日からの飛び級試験が開始された。筆記試験や実技試験など多岐にわたる。スネイプはどの教科からも外されているための3年生への進級審議委員会にはカウントされていない。つまり、の試験期間中は全てブランクなのだ。
(そろそろ最初の試験が始まったか。)
魔法薬学雑誌に目を通しているもののチラリと時計を見る。目は魔法薬学の最新論文の上を滑っているが心はの元に飛んでいる。そして昨日気づいたに対する“禁忌”
「全く、どうかしている。彼女とは18歳も離れている。教師が子どもに手を出すようなものだ。現にそうだが。」
落ち着きたい、でも残念ながら彼の煩っている病気に効く薬は魔法界やマグル界を問わず存在しない。
苛立つ、いっそ。精神運動を抑える薬でも飲んでしまおうかとも思うが薬を飲んだところで根本は解決しない。
「・・・少しは生産的な活動をしてみるか。」
そう呟いて取り出されたのは3年生の指導要綱。今からの時間割を作ってしまおうと思ったのだ。本来であればの合否が判明次第作るのが筋だが、今の彼には何かをしていないと気がどうにかなってしまいそうだった。
時間割を作るのは意外と集中力を要したため彼の精神的苦痛は軽減された。
そして午前中の試験終了の鐘が鳴ったときハッと顔を上げた。
「終わったか。」
の顔を見たい、その思いが押し寄せる。昼食は大広間だが夏休み期間中は教員しかいないため、普段は学生が使っている机を使って教員同士が向かい合って食事を摂る。そして
も今回は教員と混じって昼食を摂る。
「!」
「スネイプ先生。」
大広間に向かって歩いていたを見つけ呼び止めると笑顔で走ってきた。
「午前中の試験終わりました」
「そうか、で。どうだったかね?」
はその問いには答えずニコニコと笑っている。
「まぁ良い。午後もあるから食事に行きなさい。午後は実技だ。」
「はい!では先生のちほど!」
(出来たようだな。ま、当然だが。)