【Harry Potter】 Missing Heart
第19章 動悸
動悸
最近、は奇妙な症状に悩まされていた。それは特定の人物と会うと動悸がし奇妙な感覚になる。そしてその人物のことを考えると眠れなくなるのだ。
その人物とは誰か。スネイプだった。
スネイプの顔を見るとなぜか動悸がして胸が苦しくモヤモヤする。
(不整脈?)
は、この日もスネイプの部屋で課題をこなしていたが、やはり動悸がする。
頭もどこかぼんやりする。
はスネイプの目を外すように左手首に右手首を当てて時計の秒針と睨めっこを
していたが、やはりの不審な動作はスネイプの目に止まった。
「どうかしたのかね…私には君が脈を測っているように見えたが」
(やっぱりこの教師は抜け目ない・・・)
は観念して正直に自分の不調を訴えた。
「最近、動悸がするんです。頻脈ですし。」
次の瞬間、はハッとした。スネイプがの予想外の行動に出たからだ。
彼はの右手首を掴んだのだ。
「え?あ・・・あの?」
瞬間には手を振り払おうとしたが次の彼の言葉に静止を余儀なくされる
「静かにしたまえ、脈がとれなかろう。」
彼は懐中時計を取り出すと、何ともないというふうに慣れた手つきで淡々と
スネイプはの脈をとる。
時間にすれば1分程だろうが、の体感的には5分に感じられた。
「・・・確かに脈は1分で120回と頻脈だが脈の乱れはない。最近は眠れているかね?」
「いいえ。あまり眠れていません」
「睡眠時間は?」
「4時間程度です」
「なぜ不眠であることを黙っていた」
「大したことないと思いまして」
がそう答えるとスネイプはため息をつく
「君は元医療職でありながら自己管理が苦手なようですな」
「申し訳ありません。」
そう言われてしまうとはしゅんとする。
「今日からしばらくは寝る前に眠り薬を飲んで寝なさい」
そう言うとスネイプはに1回分の小さなクリスタルの瓶に入った
薄緑色の液体を渡す。
「これで1回分だ、即効性があるゆえベッドに入ったら飲むように。」
「ありがとうございます」
または心臓が跳ね上がる気がした。