【Harry Potter】 Missing Heart
第18章 再生される心
「・・・昔から理論的で何でも言葉や文字にしなきゃ君は分からないようだね。は今まで弱音を吐かず一人で頑張ってきたんだよ。もちろん、学習面は君の支援だけどね。でも人は孤独では本来の能力を発揮することは出来ない。心はロジックじゃないんだ。確かには大人で子どもと違って精神力はある。だけど彼女も人だ。疲労し尽くしたら壊れてしまう。」
「…フン。」
「君もを必死になってここまで育ててきたんだね。だから君は相手の心だけではなく自分自身の心にも気づけない。」
長くなったね、とルーピンはスネイプから離れた。
その後部屋の扉を開けて入ろうとしたがルーピンから指摘されたことがあまりにも
重すぎてドアを開ける勇気が出ない。
「しっかりしろ、自分。」
言葉に出して自分に言い聞かせる。
ドアを開けると放心したようには床に座り込み涙を流していた。
「、席を外して悪かったな。」
をそっと立たせると椅子に座らせ軽く抱きしめる。
「君は今まで良くやった。」
そういうとは涙が溢れて止まらなくなった。壊れたように泣き続けるに今まで
見てこなかったの本当の姿を見たような気がした。
「ごめんなさい、急に泣き出して。ご迷惑でしたね。」
「気にするな。」
「明日から私1週間頑張ります。」
「ああ。頑張りたまえ、そろそろ夕食の時間か。部屋に戻ったら間違っても教科書は開くな。君は十分に試験に耐えられる。が、体が疲れていてはどうしようもない。明日以降の試験の予定表だ。普段の授業よりもハードだ。もし眠れなかったらまた来たまえ。眠れる薬をやろう。」
そう言って戸口までを送ると笑顔では大広間に向かっていた。
あと少しで夕食。しかも終業式の大宴会だ。
ただ、一人残されスネイプはルーピンの言葉がずっと頭を離れない。
『君もを必死になってここまで育ててきたんだね。だから君は相手の心だけではなく自分自身の心にも気づけない。』
(自分の心に気づけない、私は自分の心なんて今まで見てこなかった。いや避けていた。
今まで彼女の心なんてものも考えたこともなかった。)
自問自答する。