【Harry Potter】 Missing Heart
第9章 上級魔法
上級魔法
この日、二人は共用のテーブル座っていた。はスネイプに古い1冊の本をスネイプから手渡されて困惑していた。本には上級呪文術と書かれており最初のページをパラパラ見ただけでも気が遠くなりそうだった。
「今日から杖での魔法の使い方を覚えてもらう。本来であれば物を移動させるような簡単な呪文から始めるが、君の場合は英語が出来ないというネックがある。書物が読めなければ教科書以外の資料を見ることは出来ぬし、課題のレポート提出も出来ぬ。無理を承知で君にはマスターしてもらわなければならない。教科書は256ページを開け。初学者である君に呪文の論理は省くとして発音と杖の振り方だけを教える。」
そして彼はもう2冊の本を取り出した。
「この英語の本を日本語に訳してもらい、もう一つの日本語の本を英語に訳してもらおう。」
スネイプが見本を見せるが、そもそもには発音の段階で躓いた。呪文の音が複雑かつ長いのだ。
ついに彼はの悪戦苦闘ぶりにため息をつきながら
「・・・仕方ない、まずは正しく発音できることを目指すとしよう。」
スネイプが呪文を言った後にが発音をする。最初は1センテンスずつ、そしてその後は少しずつ増やして最後は全てをつなげて正しく発音できるように訓練を続ける。
何とかがギリギリ魔法をかけるのに耐えられる程度の発音をできるようになったのは教科書を開いて3時間後のことだった。もはや二人の口は渇ききっていた。
「・・・休憩にする。」
そうスネイプが宣言をする声も既にかすれている。
「これでも飲め。」
杖を一振りして出されたのは、1杯の水のような液体だが。はそれを一口飲んで
顔をしかめた。甘いような苦いようなしょっぱいような複雑な味だ。
「それは喉や口の中の炎症を取るための薬だ。風邪の時にも使われる。その薬を飲んだ後は好きな物でも飲みたまえ。」
そう言われるとはコップを持って水道をひねった。が自分で用意できる飲物と
言えば水くらいしかない。
(・・・そうだった。この娘は自分で茶を入れることも飲物を買ってくることも出来なかったんだったな。家事魔法も教えねばならぬか。)