【Harry Potter】 Missing Heart
第8章 意図して隠された歴史
「君の生活・学習に関しては私が一切の責任を私が負う。安心して勉学に努めたまえ。
そして早く自由な世界に戻りたまえ。何時までもこの学校は君がいる場所ではない。」
スネイプはそう言って目をそらした。まるで自分の心がに見られるのを避けるかのように。
「私の父をご存じだったのですね。」
「君の父君に私とダンブルドア校長は命を救われた。彼は優れた癒者であり医師だ。」
「癒者?」
「癒者とは魔法界でのドクターだ、そして医師はマグルの世界でのドクターだ。」
「知りませんでした・・・。父は医師だとは聞いていましたが。」
「そうかね。」
それを聞いたスネイプはが自分の父親のことを知らない様子であることを見て驚いたが両親が魔力を持たないを純粋なマグルの世界で生きて行かせるためと理解した。
「さて、今日はもう好きに過ごしたまえ。明日からは早速君には勉強を始めてもらう。杖や魔法を全く使ったことのない君にはいささか厳しい内容になるだろう。覚悟したまえ。」
「よろしくお願いします。」
「ふむ、では私は学会に提出する論文があるので机に戻る。何かあったら声をかけたまえ。」
そう言うと彼は部屋にある自分の個人用のデスクに向かうと羊皮紙に向かって羽ペンを走らせ始める。
一方、はというとまだ、自由に外出も校内も歩くことも出来ないためスネイプと同じ
部屋にいるしかない。仕方なしに自分がナース時代に使っていた参考書を眺めていたときである。
「ミス。」
「はっ、はい?!」
いきなりかけられた声では読んでいた本を取り落としそうになった。
スネイプはの本棚の所にやってくると申し訳なさそうにこう言った。
「悪いが、君の持っている”今日の治療薬2017”という本を借りることは出来ないかね?」
「あ、ええ?あ・・・これですか。」
「ああ、調べたい薬があるのでな。」
「どうぞ。」
はスネイプがマグルの薬事典を使おうとしているのを見てきょとんとしている。