【Harry Potter】 Missing Heart
第8章 意図して隠された歴史
意図して隠された歴史
全ての買い物が終わったのは午後だった。は学内で昼食を摂った。
実はにとっては昼食は唯一、スネイプと離れられる時間だった。
はまだホグワーツには入学していないことになっているので食事は
もっぱら自室で摂っていた。
ダンブルドアは大広間で摂ることを勧めたが、敢えて静かに食事を摂る
事が出来る自室を希望したのだ。
一方スネイプはというとホグワーツの業務から外れてはいるものの教員として
大広間で昼食を摂っている。
(リリーエヴァンズって誰だろう。)
はスネイプの言葉を回想する
『その者については魔法史の授業で習えばいい』
(と、言うことは魔法史という教科書にあるのかも)
と思い、はつい先ほど買ってきた教科書を探す。教科書は容易に発見出来た。
しかも、スネイプは購入後にすぐに翻訳術を全ての本にかけたので全ては日本語に
訳されていた。
だが、その前には魔法史の中の逆引き索引の中に見慣れた人物の名前を見つけた。
その名は”セブルス・スネイプ”だった。
(へぇ、あの先生が魔法史の教科書に・・・何か有名な人なのかな。)
実はは指導担当教員であるスネイプのことについてはほとんど何も知らずにいた。そう、本当に何も。は一昨日魔法省の役人によって保護され、そのままホグワーツにやってきていたのだ。もちろん、父親と母親からは自分が魔法界の住人になりホグワーツと言う名の全寮制の学校に通うことは聞いていたが。スネイプのことについては何ら説明はされておらず、学校に着いたときにダンブルドア校長に紹介されたぐらいだったのだ。はスネイプの名前が出てくる前後のページを見て愕然とする。
魔法界には闇の帝王による暗黒の時代があったという事実、そしてスネイプがダンブルドアの命によりダブルスパイとなっていた。更に続きのページにはコラムとしてスネイプとダンブルドアが戦いで暗殺されかけたこと。そしてその後2年間の長きに渡ってスネイプは聖マンゴ魔法疾病傷害病院入院し、一人の癒者によって辛くも命を救われたという事実。そしてその癒者こそがの父であるリョウ・だった。