【Harry Potter】 Missing Heart
第37章 未来へ向かって
「・・・・・・」
がなかなかスネイプに進路希望を出さなかった理由がここにある。が出した進路の結論はスネイプと自分の関係性はゼロにして導き出した結論だ。ここに来ての心は大きく惑う、が。もう全ては動き出している。魔法省・イギリス政府・日本政府を巻き込んだ超法規的取り組みが動き出しているのだ。各々の国の利害を含んだ動きだ。
現に翌年からスネイプはホグワーツだけでなくイギリスと日本の国立大学系の薬学研究室に”研究員”という形で同時に在籍する。魔法界とマグルの世界での医術協力の一環として
複雑な流れに取り込まれていく。の医学部進学のプロジェクトはその一環に過ぎない。いまさら、止めようにも止められないのだ。
「ごめんなさい、スネイプ先生に全く相談もしないで決めて。」
この結論はスネイプも全く予想していなかったわけではなかったのだ。はマグルの世界に育ち、急な魔力の発現のためにそのコントロールのためにホグワーツに放り込まれたのだ。コントロールが出来るようになれば元の世界に戻りたいと思うのは自然なこと。
だが運命は残酷なことに二人の間に師弟関係以外の関係を生じさせた。孤独な者同士が惹かれ合った必然と言われれば、そうかも知れないが。
「、君は自分の人生は自分で作るべきだ。ここはいわば君の人生の通過点に過ぎない。自分が必要とされているであろう道に進むがいい。」
(またもや失うのか)
スネイプには暫く忘れていた喪失感が襲う。リリーエヴァンズを失った時とはまた違う喪失感だ。自分が全てをかけて大切に育てていたを失うということ。
「私は君が戻ってくることを10年でも20年でも待っている。」
その日、スリザリン寮生を始めホグワーツ教員も夜間の巡視に回る二人を最後に見たきり誰も姿を見る事はなかったという。