【Harry Potter】 Missing Heart
第34章 失いたくない気持
失いたくない気持
を部屋のベッドに寝かせる。今は姿現しをして酔ってしまったためはぐったりと横になっている。
「しばらく寝ていたまえ。」
「先生・・・すみませんでした。」
「君が悪いわけではない。」
体が震えている。マグル出身のが魔法使いの実戦を見たのは初めてだ。ショックが大きいのだろう。それ以降は口を閉じたまま何も言わない。
しばらくの様子をスネイプは観察していたが落ち着いたころに口を開いた。
「闇に対する防衛術とは所詮、授業の中での出来事にすぎん。実戦ではほとんど役に立たない。」
めまいと吐き気が収まったのだろう、はゆっくりと体を起こす。
「先生の顔が切れてる。」
「かすり傷程度だ。」
スネイプはどこかいつもと違いぶっきらぼうに見える。
「怒らせてごめんなさい。」
「何を言っているのだね。」
「怒ってるんでしょう?」
「何に対して怒らねばならないのだね」
の思考とスネイプの思考が上手く重ならない。
「ワガママをいってごめんなさい。」
「君は何も悪い事はしていないというのに。」
でもスネイプはに今は優しく出来ない。彼も今一つの恐怖と戦っていた。
(もう2度と大切な者を奪われたくない)
その思いに駆られている。今、一番手をさしのべてやらなければならない存在に今、彼はそっと触れるのすら恐怖を感じている。触れたら壊れて消えてしまうのではないかと。
今に手を差し伸べなければ誤解を生み彼女を傷つけるだろう。だが、それは説明するのは長すぎる。
(過去と決別をしなければならない)
「今から校長室に行くとしよう。・・・立てるかね?」
「え?校長室。」
「君に私の見てきた記憶を君に見せよう。」
スネイプはをベッドから立たせ校長室へと向かった。中にはダンブルドアが一人机に向かって羊皮紙をじっと見つめている。
「ああ、セブルス。今回の件は大変だったのぅ。ごくろうじゃった。」
「ええ・・・いいえ。」
「で、ここにと来たには何か用があるのじゃろう?」
ブルーの瞳がきらりと光りスネイプの瞳をじっと見つめる。