【Harry Potter】 Missing Heart
第33章 覚醒
覚醒
とスネイプはこの日、ダイアゴン横町に来ていた。の学用品を揃えるためだ。全ての学用品を揃えてホグワーツに引き上げようとした時である。
「先生、あの一つお願いがあるんです。出来たらでいいんですけど。ここのお店に行きたいんです。」
それは女の子がよく見るファッション雑誌の一部に書かれた店で美味しいパンケーキを出す店と知られていた。これが普通の学生を連れているのであれば、にべもなくスネイプは却下するだろうが、今日連れているのはスネイプにとっての愛するだ。普段は食事時間以外はホグワーツの南塔で全て完結し缶詰にされているを普段から彼も少し不憫に感じていた。
「・・・気分転換に行くかね?」
出がけにルーピンが言っていた事が頭の片隅に引っかからないでもない。本来であれば買い物が終わり次第、すぐにホグワーツに帰るのが得策だろう。
また、スネイプは闇の勢力からすれば”裏切り者”であり今でも暗殺の機会を狙っている者がいる。裏切り者が魔法界のヒーローであることが許せない輩もいるのだ。そしてそこに恋人と騒がれたと来れば、を誘拐しようとする輩もいる。
幸い、の行きたいと行っていた店は人混みから少し離れた開けた場所にあった。もし、暗殺者や誘拐をもくろむ輩がいても人影に紛れて事を起こすのは難しい。
だが、それは一つの油断だった。
二人が店を出て少し歩いたところでスネイプは周囲に複数の乾いた音がバチッとして異変に気づく。
(姿現し、か)
それは聞き慣れた音であり、大概は不穏を意味している。
そして二人の前には6人の怪しい男女が立っていた。
「これはこれは、奇遇ですな。ホグワーツ魔法学校のスネイプ教授殿。そして隣にいるのは。ああ、嬢とは。」
スネイプはその話している男に見覚えがあった。死食い人であり今でも魔法省での指名手配中の大量殺人鬼だ。
(2:6か、分が悪いな)
この時のためににスネイプは1年生の段階で防衛術を叩き込んであった。が、なにぶん実戦はこれが初めてだ。しかも今回は死食い人相手。
(ルーピンを連れてくるべきだったか。)
後悔先に立たず。焦りが出てくる・・・が。死食い人がスネイプにこう嘲笑した。