【Harry Potter】 Missing Heart
第28章 惚れ薬
惚れ薬
時が経ち、は3年生から5年生へと進級した。今年はO.W.Lことフクロウ試験がある。
(毎年だけど本当に忙しい)
毎日忙しく過ごしており、ここのところスケジュールが過密になっていたが
この日は1日。寮監であるスネイプはの休息のために空けたのである。
だが、普段。授業ばかりに明け暮れている人間が、いざ休みをもらうと何をしていいか
分からないものだ。
(寝よっかな。)
ポスンとベッドの上で寝転がったが、いつもの習慣か睡魔は来ない。外では1年生の飛行術の授業だろうかワイワイと賑やかな声が聞こえる。
「散歩に行こう。」
そう思い、部屋を出た。そして外の長廊下に出た時である。
一人の男の子がに話しかけてきた。
「さん、僕。あなたのことが好きです!これもらってください!」
「え?あ、ちょっ。ちょっと!?」
はしばしば、こういうことがある。もらったのは小さな箱とその中には手紙。いわゆるラブレターという奴だ。
(ま・・・、年頃の子は年上の女性に惹かれる時期はあるわよねぇ。)
無論、は本気にはしない。大人の余裕もあるがには想い人がいる。
(ベタな展開よねぇ。自分を教える人を好きになるなんて。)
の想い人は学生からは畏怖の存在であり泣く子も黙る、あの物静かな教授だ。今頃は何をしているか分からないが、恐らく。に教えるための予習や授業構成を考えているのだろう。
「せっかくだし、部屋に帰ってもらったお菓子でも食べるか。」
さすがに毎日一緒に顔をつきあわせている関係上、はいくらスネイプを好きででも今日1日くらいは顔を出すつもりはない。
(さすがに今日も私の顔を見るのは疲れるでしょう、むしろ毎日会っている私に好意を持ってくれるというのも逆にすごい・・・ってか私もか)
稀に、彼が仕掛けてくる授業時間外のキスを思い出すとは顔が赤くなってしまう。何がなんでもはそういう所は純情なのだ。そう、彼の身体の全てを見たと言う事実があっても。