第6章 ミルクティーが結ぶ恋【N×A】
「カレーパン欲しいの?
俺が買ってやるよ」
相葉先輩はそう言うと、
購買の人ごみの中に入っていった。
すると。女の子たちが、『キャッ!』と道を開けた。
えっ?えっ?モーゼですか…
あっという間に、相葉先輩はカレーパンを4個抱えて帰ってきた。
「あ~あ.…それ、反則でしょ♪」
智と呼ばれた人は、そう言って笑っていた。
「はい!お友達と二宮くんの分。
驚かせちゃったお詫びに、おごりね♪」
そう言って、ぎこちないウインクをした相葉先輩は、手をひらひらと振って、行ってしまった。
俺の手には、ミルクティーと
2個のカレーパン。
「今のさ、相葉先輩と大野先輩でしょ?
超有名人じゃん!ニノ、知り合いなの~?」
「…いや…知らない…」
俺は、
強烈な出会いをしてしまった。
心臓がドキドキして…
なんだ、これ?
俺は、相葉先輩の笑顔を思い出していた。
二宮和也。
人生初の、『ひとめぼれ』だ。