第5章 ジェットコースター・ラブ【S×N】
ふたりでご飯を食べ、
風呂に入って、ゲームをし…
まあそこまでは、普通だよ。
さあ、もう遅いし、寝ようか、
ってなった時…
俺の布団は、翔くんのベッドの横に
敷いてあったんだけど、
翔くんが、俺に向かって言ったんだ。
「ニノ…一緒にここで、寝ようよ…」
「えっ?一緒に…」
「うん……ダメかな…?」
俺は、彼の大きな目に
吸い寄せられるように、
ベッドに登った。
緊張する俺に、
翔くんは急に抱きついてきて、
「ニノ……好き…」
と言った。
「えっ?えっ?………えーっ!!」
思わず彼を突き飛ばしてしまった俺に、
翔くんは、泣きそうな顔で言った。
「気持ち悪い…かな~?」
(……そんなことない、
俺もずっと好きだった…)
そう言えばよかったんだけど、
びっくりして、
どうしていいか分かんなくて、
「変なの…」と言ってしまった。
下を向いて、泣きだした翔くんに、
「泣くなよ…泣くなってば!」
俺は、翔くんの身体を抱きしめた。
小さくて、
俺の中にすっぽりと納まってしまう。
そんな彼の身体は、可哀想なくらいに
震えていて…
でも、俺は、
どうすることも、できなかったんだ。
「好きだ」
って、その一言が、
どうしても言えなかった。