第2章 ジェラシーウルフ【M×S】
「はーい…」
仕方なく、着ていた部屋着を脱いで潤の後を追って風呂場に入った。
突っ立っていても仕方なので、
「頭…洗ったげようか?」
そう声をかけると、
「いい」
あっさりと断られた。
手持無沙汰な俺は、少し前まで浸かっていた湯船に沈んで、そこで潤を見ていることにした。
…ガシガシと頭を洗う潤…
…あ…泡が目に入りそう…
コンタクトは外したのかな?
心配する俺をよそに、
潤はシャワーを全開し、頭のてっぺんからかけた。
…次に手にボディーソープを出し、首筋を撫でる。
首筋から、肩…
肩から胸…
胸から脇…脇腹…
潤の綺麗な指が、自身を握ってクルクルと洗う
その手際のいい指遣いが………
『ゴクリッ…』
あ…聞こえ…たかな?
潤はそれまで、俺の存在なんか、いないかのような態度だったのに、急に手を止めて俺の方を見た。
「……」
なっ、なんだよ…
「やっぱ、気が変わった」
「変わった…?」
「洗ってよ」
「…洗う…って…」
「頭はもう終わったから、身体」
ああ…そういうことね…
「…いいよ…」
湯船から上がり、身体を洗うタオルを取ろうとすると、
「翔の手で洗って」
………
手…
潤がじっと俺を見てる。
抵抗する気も反論する気も無い俺は、
ちょっと赤くなりながら、手のひらにボディーソープの泡を出して、そっと潤の腹筋に手を伸ばした。
なんだろ…
妙に照れくさくて、
ドキドキする…
潤の視線が刺さるように熱いから…
それだけで体温が上がる。