第2章 ジェラシーウルフ【M×S】
モニターを覗くと、
帽子を目深に被ったあいつが、
俯いていた視線を上げた。
「……開けるよ…」
そう言ってロックを解除すると、
黙って黒いロングコートを翻した。
……やっぱり。
ご立腹のご様子…
あの調子だと、
大股でここまで来るだろうから、
そろそろ……
玄関へ出ようと立ち上がると、徐にチャイムが…
「早っ///こりゃ、相当、だな…」
玄関の鍵を開けると、
重い扉を抉じ開けるように、
身体を捩じ込ませてきた……
荒手の取立て屋かよ…
「潤……いらっしゃ…ちょっ///」
不意に手首を捕まれて、壁に縫い付けられるのとほぼ同時に、
乱暴に唇が押し付けられた。
為すすべもなくされるがままな俺の脇で、玄関のドアが、重々しい音を立てて閉まった。
「…ん…っ…」
ひんやりと冷たい唇から、
火傷しそうな熱い舌先が強引に捩じ込まれた。
戸惑い、逃げる俺のに絡み付くそれは、
今日の潤の心の中そのもののように、
強く、激しく、
俺の咥内を、蹂躙した。
「…ぁ…ちょっ…ん…っ…」
息も出来なくて、
顔を反らそうとするけれど、
がっちり頭と顎を掴まれていて儘ならない…
「…んん…ふっ…」
「…じゅ…ん…っっ…はぁ…」
潤の鼻息と俺の息遣いに艶かしい水音が混じる。
酸欠の身体が微かに震えだし、
立っていられなくなる寸前、
漸く解放された。