第1章 仰せのままに…【S×M】
翔くんの言ってることは、明らかに常識を逸している
まあ、もともと俺たち5人の裏の関係性が常識的にどうなのかって言われてしまえば、そこで終わってしまうんだけれども…
それにしたってだよ!?
そんなこと、ホントにできるわけ…
「いいよ~、別に。嫌なら断っても」
え!?
ええ!!
えっっ?
ええぇ…
さり気無く言った翔くんの言葉に、その場は一瞬にして凍り付いた
翔くんの言ったことは言葉だけで見たら、そのままだ
『参加したくないやつは来なくていい』
だけど、それだけじゃないことは俺たちは知っている
言葉で確認し合ったことはないけど、
『翔くんの言うことは絶対』
逆らうことや、認めないことは、すなわち彼を取り巻く俺たち4人の輪からの離脱を意味する
『輪から離脱する』
それは簡単に言うと、翔くんと別れる…
翔くんの恋人じゃなくなる…
そういうことだ
…………
……そんな…こと…
翔くんの恋人でいられなくなるなんて、そんなのもうできっこない
彼に愛され、馴らされてしまったこの身体は、
もう翔くんなしでは生きていけないんだ…
それが例え、4分の1であったとしても。
………だから、俺の答えは決まっている
翔くんが、大野さんを抱けと言うのなら抱くし、
抱かれろ、というんなら抱かれるよ!
だってそれが翔くんの願いなんだから…
……………
いや。
待てよ。
もしかしてもしかしたら、誰か異を唱えるんじゃないか?
そんなの無理だって…
出来っこないって…
勇気をもって自分の意見を言うやつが…