第1章 仰せのままに…【S×M】
背中を冷たいものが流れた
どうしよう…
俺から何か関係ない事でも言って、声掛けてみようか?
あくまで今夜のことを誘うんじゃなくて…
えっと…
え―――っと……
………
何も出てこないよ(´;ω;`)
三人がちらちらと俺と翔くんを交互に見てる
それさえも、もう堪えられない
よし!
やっぱり聞いてみよ…
この後どうする?……って…
「……あ、あの翔く…」
「智くん」
「「へっ??」」
シンクロしたのは、俺と大野さんだ
まさかのまさか、ここで翔くんから自分にお声がかかろうとは、夢にも思ってなかったんだろう
俺はもう、顔面蒼白なわけで……
今度は4人共が固まる中、
翔くんは鞄のファスナーを閉めて腰を伸ばした
そして、俺に向かって言ったんだ
「フロートに向かう時さ、ふたり、抱き合ってたよね〜♪」
ええええっ!?
「抱き合ってなんかないよ!」
翔くんに誤解されたって思った大野さんが、珍しく俺より先に反論に出た
「松潤がすげえ緊張してたから、大丈夫だから頑張ろうって、そんだけだよ!」
こんな時なのに、
いや、こんな時だからか?
大野さんは早口で弁明した
「でも、抱き合ってたよね?」
ニノや相葉くんと笑い合ってたくせに、ちゃんと見てたんだ…
俺を心配した大野さんがふんわりハグしてくれたのを……
↑やっぱしてたんだ(^_^;)
「だ、抱き合ってなんか!あ、あれは、声が、その…よ、よく聞こえないから、耳に近づいてくれて、それで、その時、肩をたっ、叩いてくれたってだけで…」
大野さんと違って、俺はもう噛み捲りの、とっ散らかるのもいいところで……
何としても翔くんの誤解を解こうと必死だったんだ
彼の機嫌を損ねちゃならない!
その一心だったんだ