第1章 仰せのままに…【S×M】
俺たちがこんな関係になったのは
かれこれ5年前…
忘れもしない、15周年のハワイの夜…
それまで、俺はずっと…もうずっと前から
翔くんが好きだった
いつからかって~?
う~ん…正確に『ここから』っていうのは分かんないんだけど、きっとデビューした時から…
ジュニア時代も、翔くんは前には出ないけど、カリスマ的な存在で、まだ子どもでダサかった俺にとっては憧れの人だった
それが、ジャニーさんの采配で、
俺たちは同じ『嵐』としてデビューする
運命だよなぁ~…
俺は最初から、翔くん好き好きオーラを出していた…と思う
だけど、翔くんは女の子が好きだし、
学校に彼女もいるみたいだし、
俺は、到底叶わぬ恋だと、諦めていた
側に居られるだけでいい…
当たり前に肩を組んでもらえるだけで…
それだけでいいんだ
……そう思っていた
ところが、15周年のハワイコンサートの時
テレビ番組のロケもあり、
ご褒美的なフリーな時間もあったりして、
俺たちは有意義な時間を過ごしていた
そんな中、5人だけで食事に行く機会があった
個室を用意してもらって、思い出話に花を咲かせながら、楽しく食事をした
お酒も結構入って、みんなまあまあ酔っぱらっていた
盛り上がった話題も終わって、一瞬の静寂が5人の中を通りすぎた…その時
翔くんが、大きなため息を吐きながら、
両手を頭の後ろで組んで言った
「はあ~ぁ…なんかもう、女って面倒くせぇよな~」
(え?)
(えっ?)
(ええ??)
(えぇ~!?)
俺たち4人は、一斉に翔くんを見つめた