第1章 仰せのままに…【S×M】
翔くんにくっ付いて、関係者フロアに来てみた
大きな窓からは、緑のピッチが一望できる
ピッチにはカズさん始め、ラグビーのリーチさんたちも来て花を添えている
「やっぱ、かっけ~よな~」
ライトに浮かび上がる芝生を眺めながら、
翔くんが興奮気味に言う
いつものように、
男らしく腕を組んで、
足を大きく開いて仁王立ち
その横に、寄り添うように立つ俺は
もう嬉しさが隠せない…
どうしてもにやけてしまう顔を、無理に引き締めようとするけれど、上手くできなくて…
「そうだよね…ホントにカッコいい…」
「なぁ〜♪」
憧れのスポーツ選手たちを見つめる翔くんの目は、いつも以上にキラッキラしてるけど…
俺に言わせりゃ、翔くん♡
あなたの方が数倍カッコいいから!
いや、数百倍…数千倍、って言ったらアスリートのみなさんに失礼過ぎるか~?
↑どうでもいい…(-_-;)
そう。
俺たち5人は、もう20年一緒にいる
一緒にいるうちに、5人の距離感も、関係も変わって来た
傍から見れば、仲良しグループ
ワチャワチャした雰囲気も、
いつになっても変わらないスキンシップも、
ファンが喜ぶから、
と、パフォーマンスのひとつの『ファンサービス』
しかしその実態は……
翔くんを中心に築かれてきた、
一種のハーレムとでも言おうか…
翔くんは帝王で、他の4人は、
翔くんの寵愛を受けたくて毎日待っているんだ…
抜け駆けも、度を越したアピールもしてはいけない
決めるのは翔くん。
翔くんは絶対…
絶対君主、っていう映画があったっけ…
主役は誰だったかな~?VSにも来たんだっけ??
↑それも今は関係ない…