第1章 仰せのままに…【S×M】
と。
これが俺と翔くんの記念すべき、
忘れられない『はじめて♡』の夜のこと
誰にも話したことない…
俺と翔くんだけの秘密( *´艸`)
今では懐かしい、5年も前の話だ
でも俺にとっては、翔くんとの始まりの、大切な日だからね?
鮮明に、一コマ一コマを、大好きな映画のワンシーンみたいに覚えてるんだ
「芝生にはアスリートが似合うよね~」
「マジ、それな~♪」
「次は俺たちの番だね♡」
「ドリカムは、スタンバイあるから、最後まで観れないもんな~」
「ああ、残念だけどね…」
ふたりで肩を並べて控室に戻ると、
3人は顔を上げて俺たちふたりを一瞥し、
またそれぞれ、下を向いてしまった
ニノは、ゲーム
雅紀は、雑誌
リーダーは、携帯
それぞれが興味ないふりして、
実は俺たちの会話に耳をそばだてているはずだ
国立でのイベントの準備と、レギュラー番組の収録なんかで忙しく、最近翔くんとはちょっとご無沙汰で…
その間に、他の誰かが彼との時間を過ごしたか、否か。
……そんな事はどうでもいい
っていうか、知りたくもない!
大切なのは、今日という日に彼が俺を選んでくれたってこと
きっと、このイベントの後、翔くんは俺を誘ってくれる
悪いな、お三人さん♪
今夜は、俺が翔くんに可愛がってもらっちゃうから♡
今夜の勝者である、
俺を見ないようにしてる訳でもないだろうけど
揃いも揃ってつむじを見せる3人に
俺は心の中でそう声をかけた