第1章 仰せのままに…【S×M】
「ずっと考えてきた
4人と同じようにつき合うなんておかしいって
そんなの欲張りすぎだって
国民的アイドルと言われる俺たち嵐の、
メンバー全員を、俺が独り占めしてしまっていいのか?答えは簡単だよ…いけないに決まってる
そんなの許されることじゃない…
………分かってるんだ
そんなん、誰に言われなくても、
俺が一番分かってる
4人が、どれだけたくさんのファンの子に愛されているのかも…
20年もの間、ずっと感じてきたんだから…」
翔くんは、そこまで言うとすぅ~っと目を細めてから、俺の首を引き寄せ、おでこをコツンと合せてきた
「だけどね、潤…
世界中でたった一つだけ、我慢できないものがあってもいいとしたら…いや、そんなのあっちゃダメだって言われても
俺は、4人が同じくらいに好きで、
誰かを選ぶなんて何年かけても決めらんないってこと」
……翔くん
めちゃくちゃだよ
めちゃくちゃだけど…全然理解なんかできないけど
そっと、翔くんの唇に自分のを押し当てた
「…じゅん…」
「イイよ…分かったから…
もうそんなこと言わなくていいんだ…
翔くんは、俺の『帝王』だから…
全然納得できなくても、翔くんがそう決めたことに
俺は従うだけ…
だって俺は帝王に魅せられた幼気な子羊、だから…」
翔くんの大きな瞳が、俺を見つめる
キラキラ光りを集めて、俺だけを映してる
なんて…何て綺麗…宝石みた…
「こんな濃い顔の子羊、いないけどな…」
え…?( ̄▽ ̄)
「潤、やっぱりお前、最高だよ…
…愛してるよ…ベイビー♡」
……『ベイビー』…
とてつもなく、くさい台詞…
現実社会で生きてて、聞いたことない
けど。
俺、今、
世界中で一番幸せだ
記念のゴムは、ゴミ箱行きになったけどね…