第24章 IN THE SUMMER【S×A×N】
「ほんとの、ホントに使ってないからね!」
「だってよ♪翔ちゃん♥️」
相葉さんに意味深に振られて、運転中の翔さんは、チラッと俺を見て笑った。
「まあ、俺、あんなピンクに負けねーし!」
えっ…負けねーって…( 〃▽〃)
「今晩、比べてみてよ♪」
「比べて、って///だから、使ってないんだってばー!」
「ははは、分かった、分かった」
………(ToT)
もお〜
俺のバカ!
中丸のバカ!
それにしても、なんであんなの見られちゃうかな〜?
痛恨のミスに唇を噛んでみたけど。
でも、三人でのこの館山旅行…
楽しみなんだ。
そういうことは置いといたとしても、少し早い夏の思い出、作れるかも…
大好きな翔さんと、
そして、この頃俺の中で急上昇の相葉さんと…
こう見えて俺って、実はキラキラな夏の思い出って、ないんだ。
↑まあ、だいたいそう見えるけどね…
親は仕事で忙しいし、たまの休みに連れてってくれたのは、専ら市民プール。
芋洗いのような流水プールの流れに身を任せた小6の夏…
思い出っていや、あれくらいかな?
俺もどんどん野球にのめり込んでいたし。
何か、素敵な事が……
起こりそうな…そんな…予感……
「ニノ…ニノ…いたよ…」
んん〜…もう少し、だけ、寝かせてよ…
母ちゃん……
…………えっ!?
ぱっと目を開けると、目の前18cmに翔さんの顔が……
「わあああっ!!」
慌てて身体を起こそうとしたら、
不意に翔さんの唇が降ってきた。
!!嘘っ…( ̄0 ̄;
チュッ、という軽い音だけ残して、それはすぐに離れた。
「おはよ♪着いたよ」
「ごめんなさい!俺、寝ちゃって!!」
「大丈夫だよ。可愛い寝顔、堪能させてもらったし♪」
そう言って翔さんは、スマホを見せた。