第24章 IN THE SUMMER【S×A×N】
「だってさ、来週もその次も週末忙しいじゃん!今週しかないだろ〜?」
「でも、海開きもまだだしさ〜」
「だからいいんじゃん!別に遠泳するって言ってんじゃないんだし。
ちょっと早い夏を味わいたいな♪
って、そういうことだよ」
「じゃあ、服のまんまで?」
「いや。一応海パンにはなる♪」
「ほらぁ、泳ぐ気満々じゃん!」
例のごとく。
始まったコントというか、櫻葉劇場というか。
痴話喧嘩までいかない戯れ合いに、俺は小さくため息をついた。
「で。ニノも行くよな?」
「あ、うん…行ってもいいなら…」
モヤモヤが溜まっていた俺は、ちょっとひねくれた言葉を吐いた。
「いいに決まってるじゃん!ニノが行かないと、俺たちの夏は始まらないだろ〜?」
……とかなんとか言って、ずっと放置してたくせに…(-.-)
「帰れないくらい遠いとこ連れてって、ニノに覚悟させちゃうつもりだからね!翔ちゃんは…」
え……(///ω///)
「お前!言うなよ!ニノが来ないって言ったらどうすんだよ」
「そんな事ないよな?ニノ…来るよね?」
「……うん、行くよ…」
「よしっ!!」
「イエ〜イ!」
ハイタッチで喜ぶふたり…
なんかさ。
これじゃ、『帰れなくなってもいい』って、そう言ってるようなもんじゃん…
あーつ!!
耳が熱い。
俺……いよいよ、もしかして……
「じゃあ、ニノ、明後日…」
「うん、分かった」
「…………」
「えっ?」
じっと、真顔で固まる翔さん。
どうしたんたろう〜?
「ニノ、ニノの後ろで動いてるの、あれ、なに?」
あれ?
あれって……
翔さんの視線の先をたどって振り返ると、ピンクのアレが、ひとりでくねくね、ウィンウィン、動いていた。