第24章 IN THE SUMMER【S×A×N】
『こんなのより、雄ちゃんの方がずっといい〜♥️ってさ!だから、ニノにやるよ。
要らなかったら捨てていいから…』
……捨てていいって言われても…
……じーっとそれを見つめ続けたけど、どうしても入れてみたいという気にはならず。
電源をオフにすると、それはテーブルの上に転がった。
「はあ〜( ´△`)
こんなの使って練習しなきゃ、俺は、あのふたりに愛してはもらえないのかな〜…」
そう呟いて、目の前に転がるピンクのそれを摘まみ上げたその時、
♪♪♪〜♪♪…♪♪♪〜♪♪…
大音量でスマホが着信を知らせた。
ビックリしてピンクを放り投げると、偶然電源が入ってしまったそれは、鈍いモーター音とともに、くねくねし始めた。
「あ、翔さん!」
慌ててLINEのビデオ電話をタップした。
そこには愛しの翔さんの笑顔が。
「ニノ、今平気?」
「あ、う、うん。何?」
「週末さ、予定ある〜?」
週末っていうと、明後日…
「土日でしょ?何にも…同好会の活動もないし…」
「じゃあさ、千葉行かない?」
「千葉?」
「そ。館山に雅紀のおじいさんの家があるんだ」
おじいさんの……
相葉さんのおじいちゃんに会いに行くの?
「あ、家っていっても別宅だから、誰もいなくて…」
別宅…って…
「別宅っていっても、別荘として使ってるだけで、普段は空き家みたいなもんなんだ!」
「相葉さん…」
翔さんの横に相葉さんも入り込んできた。
「翔ちゃんがさ、夏っていえば海じゃね?って…
まだ、早いって言ったんだけどさ♪」
相葉さんの話より、頬を寄せ合うふたりが気になって仕方なかった。