第24章 IN THE SUMMER【S×A×N】
…………俺…
なに、やってんだよ……
俺のためにと、散々時間をかけてくれた相葉さんと翔さん
いざとなったら拒絶したくせに、我慢できなかったから…
そう言い訳したいけど。
今となったら、もう少しだけ、我慢できたような気もしてくる。
翔さんだって、もう少し強引にさ。
嫌がっても押さえつけて突っ込んでくれれば良かったのに…
そんなご都合主義な願望を頭ん中に巡らせながら、そっとティッシュで手を拭った俺は…
もはや自己嫌悪の塊だった。
……もう、消えちゃいたい…
……………
………
「……ニノ…」
「ニノ……」
「…えっぐっ…うぅ…えっ…」
床に座り込んで泣いてた俺を、
翔さんと相葉さんが両側から覗き込んで肩を抱いてくれた。
「ニノ…ごめんね…」
「俺たちばっかり、盛り上がっちゃって…」
「…えぐっぅ…うっ…」
「…出来なかったこと、全然気にしなくていいんだよ」
「いつか必ずできるから!ほら、泣くなって…」
ふたりに慰められている自分が、無性に惨めに思えて、俺はしばらく泣き続けた。
全裸の男三人が、額を寄せ合い、
慰め、慰められの絵面は、
端から見たら、ちょっと笑えない奇妙なものだったに違いないけど
そのときの俺は、そんな事考える余裕は無かったんだ。
でも、ひとりになって思ったのは、俺が男の人でも欲情する……
ってことが、判明したこと。
まあ、正確には、男同士のセックスを見て、我を忘れるほどに反応できてしまう…
って。
そういうことだ。
それからも、同好会の活動やふたりとのご飯や飲みも、頻繁にあった。
だけど、夜のお誘いは、
全くなかった。