第24章 IN THE SUMMER【S×A×N】
「はい、どうぞ♪」
「あ、ありがとう…」
俺の前のテーブルにコーラを置くと、キッチンから、あとふたつ、コーラのグラスを持ってきた。
静かに置かれたグラスから、カランッ…と氷が小さな音を立てた。
「あいつ、絶対速攻で戻ってるからさ。もうコーラも入れちゃった(^-^)」
そう笑った翔さんは、ラグの上に胡座をかいた。
俺のとなりも空いてるのに、そこには座らないところに、相葉さんに対する、翔さんの優しさを感じた。
「…ふたり、いつも仲良し…だよね」
「まあね〜…あいつとは小学校からの腐れ縁なんだ」
「そんな前から…」
「うん。今は兄弟より一緒にいるよね」
ズキンッ…また、胸の奥が小さく疼いた。
「ニノのこと落とそう、って言ってきたのは雅紀なんだ」
「…相葉さんが?」
「うん。雅紀がニノは絶対俺のことが好きだから、って…」
相葉さん…わかってたんだ…
「雅紀に言われて、ニノのこと意識してるうちに、俺もね♥️」
翔さんのことが大好きだから…
ずっと見ているうちに、周りをチョロチョロする俺に気づいたんだろうな〜
恋人にくっついてくるヤツのこと、嫌って当然なのに
相葉さんは、そうじゃなかった……
……なんか、器が違うのかも。
相葉さんに嫉妬してた俺とは…
いいのかな……
ふたりの仲間に入っても…
「お待たせー!!」
相葉さんが走って帰って来た。
「あ〜あ、髪びしょびしょじゃん…」
そう言いながら、リビングの棚からドライヤーを持ってきた翔さんは、
「ほら、ここ座って♪」
慣れた手つきで、相葉さんの髪を乾かし始めた。
「なにもシテないよね?」
という相葉さんに、
「どうかなぁ〜♪」
って、笑いながら……
また、胸の奥が小さく疼いた。