第1章 仰せのままに…【S×M】
「潤、ちょっと観てこようぜ〜」
「えっ??う、うんっ!!」
翔くんが俺を誘ってくれた!
翔くんが俺を…俺だけを…
翔くんの後について控室を出る時、
チラッと振り返ると、3人が俺を見ていた
ふっ…悪いな~
翔くんは今日、俺を誘ったんだよ…
ってことは、まあつまりは…
『そういうこと…』
悪いね~(*^-^*)
俺は恨めしそうな3人に、眉を上げて軽く挨拶してから、翔くんの後を追いかけた
まあ、勝者の余裕かな♪
今日は新国立競技場のオープニングイベント
俺たちはイベントの一角を担うことになっていた
何度かリハーサルをして、綿密に打ち合わせをし
今日はその本番
俺たちの出番の前に、
スポーツ選手たちが登場する場面があって…
「カズさんが、ピッチに入る一番手だって~
観に行きたいな~」
翔くんがそう呟いていたのを、俺たちはみんな聞いていた
聞いていながら、一緒に観に行こうとは言わないんだ
なぜって~?
それは、俺たちの4人の中に、
暗黙の協定が結ばれていたから…
『自分からは翔くんを誘わない』
俺たちは彼の前では、
あくまでもフェアーでなければならないんだ
決めるのは翔くん
選ぶのは翔くん
それが俺たち嵐のメンバーの中に敷かれた、
非公式だけど、最重要ルール……
あ、
言い忘れてたけど、俺たちはみんな、
翔くんに恋してて、
翔くんはみんなの恋人だった
まあ、分かり易く言えば、
一人の夫を4人の妻がシェアしてる…
って、そんなところだよ
言ってたじゃん、
『一夫多妻制を採用する』って
翔くん、VSの収録で
あれ、冗談じゃなかったんだ