第24章 IN THE SUMMER【S×A×N】
「じゃ、ここに名前と住所ね♪携帯も…急に訪ねてったりしないから、安心して(^^)まあ、電話はしちゃうかもね〜」
生まれて初めて出会った…
小さい頃、保育園で先生が読んでくれた絵本に出てきた、眠っているお姫様に無理やりキスした…
↑言い方!
白い馬に乗った王子様そのものみたいなこの人。
櫻井さんに誘われて、俺は『かくれんぼ同好会』に入ることに。
実際、自分でも驚いている。
「へぇ〜、二宮くんって中原区か。駅は?」
「新丸子です。」
「おお、新丸子!じゃあ、帰りは同じ方向だな〜」
「櫻井さんのお家は…?」
「俺?二宮くん家と近いよ。田園調布」
でんっ……近いって(*_*)
多摩川越えたら住んでる人種が違うんだよ〜
(中原区の皆様、ごめんなさい!)
田園調布か……見た目通り……
本物の王子様だ。
「後は、え〜っと…」
「翔ちゃ〜ん!!遅くなってごめんねぇ〜!」
えっ!?
声のした方を見ると、背の高い人が、まっしぐらにこっちに手を振りながら走ってくる。
ええっ??
あのままの速度で走ってきたら……
えええええっ!!(゜ロ゜ノ)ノ
「会いたかったよ〜♥️翔ちゃん!」
そう言って全速力のまま、その人は王子様に抱きついた。
((((;゜Д゜))))
細身の王子は、走り込んできた弾丸みたいな人を、意外にもがっちりと受け止めた。
もしかして、こういうのに慣れてんのか?
しかも怒ってない上に、ちょっと嬉しそう?