第24章 IN THE SUMMER【S×A×N】
青い空に新緑が映える…
スーツでは、少し汗ばむくらいの春の日。
俺は晴れて大学生になった。
春が来たんだ…
東京にも、俺にも。
何か、いいことがありそうな……
「ラグビー同好会で〜す!
女の子でも出来ますよ〜!」
いや、女の子で男子とラグビーはないだろ…
「ヨット部で大海原にセイリングしよーよ!」
ヨットか……なんか、ぼんぼんのお遊びって感じ…( ・ε・)
「一緒にレゴ部でレゴに埋もれようよ♪」
「あ〜…、考えときます…」
レゴ……って、何だっけ?
ホント、大学っていろんな人がいて、いろんなことやってんだなぁ〜(^^;
こんだけあると、迷っちゃうし決めらんないよ…
『これだ!』っていう決め手があればなぁ〜
………………
「ねえ、君
かくれんぼしようよ♥️」
「えっ…」
押し付けられたたくさんのチラシを抱えてキョロキョロしていると、急に甘い低音に呼び止められた。
振り返るとそこには、
…………………
王子様がいた
男の俺が、王子様って。
なんか変だけど、でも、この瞬間の彼を形容する言葉で、他にビタッとくるものがなかった。
「…か、かんれんぼ、って…あのかんれんぼですか?」
「君がどのかんれんぼを、言っているのか分からないけどさ。
多分、それであってると思うよ♪」
そう言って、王子様は100万ドルの笑顔をくれた。
……あったかも…
『これだ』っていう決め手が…