第23章 ご城下らぷそでぃ【S×O】
「和…お前も早く妻を娶れ」
「上様が羨ましくて堪らなくなったら、考えます」
「ふふふ、なら直ぐだな…」
どこまでも澄んだ青空。
風は初夏の匂い。
私は、晴れてさとを御台所として迎えることができた。
白無垢姿に綿帽子を被ったさとは、言葉では言えないほどに美しかった。
「さと。もそっと近こう…」
「…はい…」
淡い水色の着物に着替えたさとが、私に言われ、おずおずと側に寄る。
「疲れたであろう…」
「はい…少し…上様も…」
そっとあごを引き、わざと恨みがましい目をして見せる。
白い肌に、潤んだ眼で私をじっと見つめるさと。
「…翔と…」
「………しょう、様」
「さと。やっと二人きりになれたな」
「はい。夢のようにございます…」
ゆっくりと顔を近づけると、さとは静かに睫毛を下ろす
なんと可愛らしい、花びらのような唇だろう…
それにそっと己を重ねると、熱く甘い香りが鼻孔を擽った。
微かに震えるそれを、勿体ぶるようにそっと食むと、さとは私に身体を預けてきた。
「…んん…っ…」
「ぁ…っ…んっ」
舌先を尖らせて唇を割れば、その中の火傷しそうなほどに熱いさとの舌先が待っていた。
逃げていたそれを、そっと私のものに絡めてくれた。
それだけで、私の中心は硬く主張を始めてしまう。
「さと…ここを…」
さとの手を握り、袴の上から滾りに触らせた。
「あっ……」
「さと…私は、はしたない男か?」
「翔さま…」
「さとと唇を重ねただけで、このようになる私は…節操がないか?」
するとさとは、はっきりと分かるほどに頬を桃色に染め、
「…私も…同じにございます…」
目を伏せ、消えるような声でそう答えた。