第1章 仰せのままに…【S×M】
ゆっくりと…
俺の上下の唇を挟んでは離し、小さな音を立てる
その緩慢な刺激のせいなのか、自然と膝が震えてしまう
ほんとはもっと激しくして欲しいのに…
翔くんは俺の昂りを楽しむかのように、焦らしているのか、ちっとも先に進んでくれない
「…ん…んっ」
思わず漏れてしまう官能の息遣い…
それを待っていたかのように、翔くんは指先で俺の胸の頂を爪引いた
「…あぁ…」
不意の刺激に、思わず自分でもびっくりするくらいに甘い声が漏れ、羞恥に頬が熱くなる
「んふふ…潤…敏感だね♪」
「…恥ずかしい…」
揶揄うような翔くんの言葉に、俺は堪らず俯いた
「そんな潤が、堪んねぇ~んだよ…」
翔くんの指が俺の顎にかかり、上向かされた瞬間、また唇が押し当てられた
今度は最初から口を開け、舌を捻じ込んできた
強引に入ってきたくせに、ゆっくりと俺の口の中を優しく溶かしていくような甘いキス…
頭の中が痺れたようにぼんやりして、翔くんの触れるところ全てが熱くて火傷しそうだった
「…潤…綺麗だよ…」
気が付けば、俺はほとんど裸でベッドの真ん中に寝ていて、そんな俺を翔くんが見つめていた
「…しょお、くん…」
喉が詰まる…
嬉しくて…幸せで…泣きそうになる
そんな顔を見られたくなくて、両手で顔を覆うつもりが、一瞬早く翔くんが手首を掴んだ
「そんな潤が、好きだって言ってんだろ」
……もう///翔くん( ;∀;)
堪え切れずに、熱い雫が目尻から零れ落ちた
大好きで大好きで、ずっと見つめてきた人…
背中を追いかけてきた人…
櫻井翔…
今から、俺は、その人のものになる…
夢ならどうか…覚めないで…