第1章 仰せのままに…【S×M】
何でだろう…堪らなく恥ずかしいのは…
今まで何度も、お互いの裸なんか見てきてるし、そんなの慣れっこな筈なのに…
立ち上がった俺を見上げる翔くんの熱を帯びた瞳に、顔が熱くなるのを感じた
「…じゅん…」
「…ん…」
裾に両手を掛けて、一気に首から抜き去った…翔くんのトレーナー…
露になった上半身が、総毛立った
じっと見つめたまま、何も言わない彼の視線を、全身で受け止めながら、
俺はスエットをストンと下に落とした
彼の前に晒されたグレーのボクサー……
その中心は、もう既に形を変えて始めていて…
恥ずかしくて、身体の前で両手をクロスさせた
「グレーにして正解だったね♪
潤が興奮してるのが、すぐ分かるもん」
……そういうことか……
そんなの、見なくても分かるよ
確認しなくたって、翔くんが出してきたグレーのそれは、俺の茎から溢れた欲で、色を変えてしまってるんだ…
恥ずかしさに唇を噛む俺に、翔くんの優しい声が届く
「おいでよ…潤…」
差し出された右手に、ゆっくり指を絡めると、翔くんが不意に絡み合った手をグッと強く引いた
「あっ…」
引き寄せられて倒れ込んだ彼の胸…
顔を上げると、その瞳の中に、熱い欲情を見た
「…潤…ずっと、欲しかった…」
大好きな低音が、鼓膜を震わす
『だったらどうして、俺のこと、ハワイで誘ってくれなかったの?
どうして大野さんだったの?
毎晩、待ってたのに……』
そう、恨み言のひとつも言いたい気持ちを胸に押し込んだその瞬間、翔くんの肉厚な唇が押し付けられた
………翔くん…
大好きだよ
ずっと、ずっと前から……
こうして欲しかったんだ、俺……