• テキストサイズ

夜空に煌めく星たちよ【気象系BL】

第23章 ご城下らぷそでぃ【S×O】




握ったさとの手の上から己の手を重ね、離さないようにしながら、もう一度身体を横たえた。

「……」
「さと…」


さとに出会うまで……
いや、つい先程まで、さとのことをおなごだと思っていたのだから、なんだか不思議な気もするが…

理屈ではないのだ。

現に考えてもいなかった男のさとを組み強いて、私のものは熱く滾っている。

さとを己のものにしたい……


「さと…もう後戻りは出来ぬが…よいのだな?」

逸る己を落ち着かせるつもりでそう聞いた。

嫌だと言われても、止めるつもりなど毛頭ないのだか…

するとさとは、

「……私は、翔さまにお大師様で会ってから…ずっとあなた様のことが、頭から離れませんでした…」

「さと…そなた…」

「このような身で、おこがましいのは分かっておりますが…でも…でも、翔さまの涼やかな眼差しが忘れられなくて…」

「さと///」

堪らなかった。

私だけが恋い焦がれて、さとの面影を瞼の裏になぞっておったのではなかった…

さともまた、私のことを…


これはまさしく、運命の糸の成せる業…


私とさとは、生まれた時からこうなる運命だったのだ。


もう、男女の性など関係ない…


さとのことを愛しく思う気持ちが、己の欲情を突き動かす。


痛みに震えるさとの中は、初めて感じるような熱さで私を包みこんだ。


「さと…すまぬ…苦しいだろう…」

このような圧迫感だ。
さぞや苦しいだろうに、さとは首を左右に振ってみせた。

その儚げな笑みに、鼻の奥が熱くなった。

こんような睦み合いの最中に、泣きそうになるとは……


さとと過ごす時間は、すべてが、初めてのことばかりだった。


/ 349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp