第23章 ご城下らぷそでぃ【S×O】
握ったさとの手の上から己の手を重ね、離さないようにしながら、もう一度身体を横たえた。
「……」
「さと…」
さとに出会うまで……
いや、つい先程まで、さとのことをおなごだと思っていたのだから、なんだか不思議な気もするが…
理屈ではないのだ。
現に考えてもいなかった男のさとを組み強いて、私のものは熱く滾っている。
さとを己のものにしたい……
「さと…もう後戻りは出来ぬが…よいのだな?」
逸る己を落ち着かせるつもりでそう聞いた。
嫌だと言われても、止めるつもりなど毛頭ないのだか…
するとさとは、
「……私は、翔さまにお大師様で会ってから…ずっとあなた様のことが、頭から離れませんでした…」
「さと…そなた…」
「このような身で、おこがましいのは分かっておりますが…でも…でも、翔さまの涼やかな眼差しが忘れられなくて…」
「さと///」
堪らなかった。
私だけが恋い焦がれて、さとの面影を瞼の裏になぞっておったのではなかった…
さともまた、私のことを…
これはまさしく、運命の糸の成せる業…
私とさとは、生まれた時からこうなる運命だったのだ。
もう、男女の性など関係ない…
さとのことを愛しく思う気持ちが、己の欲情を突き動かす。
痛みに震えるさとの中は、初めて感じるような熱さで私を包みこんだ。
「さと…すまぬ…苦しいだろう…」
このような圧迫感だ。
さぞや苦しいだろうに、さとは首を左右に振ってみせた。
その儚げな笑みに、鼻の奥が熱くなった。
こんような睦み合いの最中に、泣きそうになるとは……
さとと過ごす時間は、すべてが、初めてのことばかりだった。