第1章 仰せのままに…【S×M】
寝室の大きなベッドに腰掛けて
見つめ合う……
不思議なんだけど、さっきまで爆発寸前だった心臓が、不思議なくらいに凪いでいて…
翔くんの手が俺の肩に静かに乗り、俺はそのまま、大きな瞳に吸い寄せられるように、どちらからともなく唇を重ねた
暫く、そっと擦りあわせただけの口づけは、泣きたくなるくらいに俺の心を震わせた
ちゅっ、ちゅっという小さな音を立てて、翔くんが俺の唇を優しく食む
その甘さに、思わず声が漏れてしまう
彼の手が、ゆっくり背中に回り、二人の身体は近付いた
「…あ…ぁぁ…っ…しょお、くん…」
「…潤…大好きだよ…」
……あああ、何だか夢の中にいるみたいだ
子どもの頃に、親に隠れてこっそり観た、外国映画のラブシーンみたいに、翔くんと俺の周りだけ、時間がゆっくり流れてて、そこだけがセピア色に縁どられていて…
彼の触れるところが、熱くて、甘くて…
もう溢れ出す想いを我慢できなくて…
気がついたら自分の方から、翔くんの咥内へと自分のそれを差し込み、夢中で蕩けそうな彼の舌を貪っていた
「…っんん…っ…あっ…潤…待っ…」
あ……
ふと我に帰って唇を離すと、
二人の間を、細い糸がキラキラと繋いだ
「…翔くん…ごめ…俺…」
「ふふっ…夜はこれからだよ…ゆっくり愛し合おうぜ、baby♥️」
………普段なら、吹き出しちゃうようなキザな台詞も、最早、俺を煽るアイテムでしかない…
「……翔くん…俺…」
「潤…みたいな♪潤の裸♥️」
えっ……