第1章 仰せのままに…【S×M】
髪を簡単に乾かして、翔くんが出してくれてあったものに着替えた
本当は、バックの中に下着とタオルを持って来てた
泊まる気なんだから、当然だろう~?
だけど、折角翔くんが用意してくれたんだから、
それを着ないというのも失礼な気がして…
「…お風呂、ありがと…」
「お、おう!パジャマ、ピッタリじゃん♪」
「うん、サイズもほとんど一緒だしね~」
パンツ…新しいのじゃなくても良かったのにな…
翔くんは、綺麗に洗濯してあっても人の物は絶対無理って…
そう言ってたけど、俺は清潔な人のなら、平気かも…ましてや、翔くんのなら、洗濯してなくたって…
「…こっち来いよ…」
翔くんが、リビングの入り口で所在な気に突っ立ったままの俺を呼ぶ
「………」
ゆっくりと、一歩一歩、
その距離を詰める
「はい…」
俺に手渡されたグラスには、
透明な液体がパチパチと小さな音を立て、
光を集めてキラキラしてた…
「…ペリエ?」
「そ♪水素水とか、家に無くってさ〜
今度、潤が来る前に買っとくよ♪」
そんなの!!全然いいんだよ!
なんなら自分で持ってくるし…
そう言おうとしたのに……
そう笑おうとしたのに、
翔くんが、大好きな低音で、『潤』って…
俺を呼ぶから…
優しく笑う、その顔が、俺が見たことないような顔 だから…
何でだよ!?
涙が溢れそうになってしまって、
俺はきゅっと唇を噛んだ
「…潤……好きだよ…」
自分の持ってたグラスをローテーブルに置き、俺のグラスを取り、そのキラキラを口に流し込んだ
俺の顎にかかる、翔くんの綺麗な指…
綺麗な二重の瞳が、
ゆっくりと近付いてきて、そっと重なった
その一秒後…
刺激的な液体が、流れ込んできた