第22章 卒業なんか嫌い【S×N】
「ほんとは、卒業してから言うつもりだったのに、ニノがあんまり可愛いから言っちまったよ~!」
……笑う先生が眩しい…
「お前も、俺の事好きだよな?」
「な、なんで、それ?」
「そりゃ分かるよ~。俺を見る目がいつだってハートだったたもん!違う?」
そう笑って俺の顔を覗き込んだ先生。
「ちが、わ、ない…」
「ふふふ、だよな~♪じゃあ、今はまだ予約な…」
先生は、そう言って俺に触れるだけのキスをした。
「卒業しないと、生徒には手を出せないじゃん♪」
……夢なら、このまま覚めないで欲しい…
この夜、俺は先生の腕の中で眠った。
『卒業』の日は、雲一つない青空。
このまま遊びに行こうと誘う雅紀たちを置いて、俺は裏門の先に走った。
「先生!!」
車の窓から先生が笑って顔を出した。
「今日から先生じゃなくて、翔って呼べ!」
俺はこの日。
翔先生の生徒を卒業した。
『卒業』
大好きな言葉になった。
【 END 】