第22章 卒業なんか嫌い【S×N】
一緒に駆け込んだ先生の部屋。
後ろでバタンとドアが閉まると、俺は一気に緊張した。ポケットの携帯が、さっきから何度も震えていたけど、無視した。
「風呂沸かすから、着てるもん脱げよ」
……え…脱ぐ?…
俺が見ている前で、先生は何の躊躇いもなく服を脱いでいった。
パンツ一枚になった先生は、俺を振り返ると、
「男同士だし、いいよな」
そう言って最後の1枚も脱ぎ去った。
……合宿で見たと言っていた潤の『あんな顔して結構デカい』発言を思い出した。
…ホントだ…
その5分後。
俺は先生と並んで湯船に浸かっていた。
「服も乾かないし、泊まってくか?」
普通の顔して翔先生が言う。
……マジかよ///
挙動不審な俺を笑う先生。
どうでもいい話で場を繋げていた俺。
その間も、部屋の隅にあるシングルベッドに視線がいってしまう。
「そろそろ寝るか?客布団ないし、狭いけど一緒でいいよな?」
イッショ?
イッショデイイヨナ??
さっさとベッドに入り『来いよ』と呼ぶ先生。
ダメだ!これはダメなヤツだ!
だって俺は先生のことが……
「ほら、早く!」
「はい…」
捲られた掛布団の中に、おずおずと入り込んだ俺を、
「ニノって、可愛いよな~」
そう言って、先生は俺の背中を抱き寄せた。
…ダキヨセタンダ…
俺は先生の匂いのする布団と、匂いのご本体に包まれて、ぎゅっと目を閉じた。
これって……マジ、
なんだ、これ??
心臓が止まってガチガチの俺に、翔先生が言った。
「俺さ、ニノが好きだったんだ…缶けりした時から…覚えてないだろうけど」
覚えてる!
忘れる訳ない!!
俺にとって運命の日なんだから。