第22章 卒業なんか嫌い【S×N】
先生が男だとか、そんなのは関係ない。
理屈じゃない。決まりなんか知らない。
翔先生が好き…
それ以上でもそれ以下でもない。
「告っちゃえよ~」
雅紀はあっさり言う。
「振られたら俺と付き合う?」
ニコニコしながら智が言った。
「はあ~?お前男じゃん!」
「先生だって立派な男だよ~、俺合宿で見ちゃったし。先生、あんな顔してて、結構でっかぃ…」
「わあああ///もう!煩い」
サッカー部の潤は、顧問の翔先生とは俺よりずっと仲良しだ。
「お前たち!俺のピュアな初恋を面白がってんじゃね~ぞ!」
俺は4人を睨んで立ち上がった。
「だってさ、もう直ぐ卒業だよ~?」
「そうだよ!そしたらもう会えないんだよ~」
「翔先生も、ニノの事嫌いじゃないと思うけど」
……嫌いじゃないくらいじゃダメなんだよ。
好きだなんて言ったら、引くに決まってる。嫌われたら俺はもう生きていけない。
いいんだ…このままで。
俺の気持ちは、墓場まで持ってくから。
「お前ら!絶対言うなよ!言ったらぶっ殺すからな~」
そして運命の日は不意に訪れた。