第21章 幼馴染の君と僕【M×N】
「潤く~ん、たくさん食べてね!
カニクリームコロッケ、大好きだったでしょ♪」
「いただきます!おばさんのコロッケ、食べたっかったんだ~❤
和、ソースとって~」
潤は、コロッケが見えなくなるくらいにソースをかけた。
……コロッケが泣いてるぜ…
そんなコロッケを、潤は美味しそうに頬張った。
「それにしても潤、大きくなったな~」
「翔くんだって!!あの頃は和とそんなに変わらなかったのに~(^^)超イケメンになちゃってさぁ~
一瞬誰だか分かんなかったよ~」
…ど~せ、俺は全然変わりませんよ(-"-)
翔と潤が仲良く話すのを、俺はぼんやりと眺めるしかない。
昔から、翔と潤は仲が良くて、そっちが兄弟じゃないかって、友達に揶揄われたくらいだ。
「あ、俺もう行かなきゃ!」
不意に翔が立ち上がった。
「あら、翔くん出掛けちゃうの~?」
「おばさん、すみません。今日からタイに出張なんです。」
「そうなの~?まあ、これからはいつでも会えるからね♪」
「ですね。じゃ、ごゆっくり~」
「またね、翔くん」
潤は甘えるような声で翔を見送った。
……(*´з`)なんか、面白くない…
和気あいあい盛り上がるリビングを後に、トイレに行くようなふりして俺は自分の部屋に戻った。
なんか蚊帳の外だし。それに…
潤の顔を見てられない…
俺の知ってる潤じゃないんだもん。
俺の知ってる潤は…
潤は…