第21章 幼馴染の君と僕【M×N】
俺と潤は幼馴染。
同い年の俺たちは、
生まれた時からの付き合いで。
子どもの頃のアルバムは、
潤でいっぱいだった。
それが中学2年の時、潤の親父さんの仕事で、アメリカに引っ越すことになって。
兄弟のように一緒だった潤は、俺の側からいなくなった。
それから10年。
潤の家族が帰って来ることになった。
俺は、会いたくて仕方なかった反面、会うのが怖かった。
その訳は……
「和~、会いたかったよ!」
潤はそう言うと、俺の身体をぎゅっと抱き締めた。
えっ?
あの…
「潤~、ここ日本だから…つ~か、かず、顔、真っ赤🎵」
翔がそう言ってくすくす笑った。
「えっ?あ、そっか…和があんまり変わってないから、嬉しくって、つい…」
……潤…君はびっくりするくらい変わっちまったよ…
俺より背も高くなって、顔も…まあ、昔から濃い目ではあったけどさ。
こんな…
こんな、誰もが振り返る様なイケメンじゃなかったのに…
そう。
潤は、俺が待ちわびた潤とは、まるで別人だった。
「いいけどさ、ソースと財布、置けば~?そんなでっかいソース、誰が飲むんだよ!」
そう言いながら、潤はくすくす笑った。
潤の言葉に我に帰ると、
俺は1ℓのソースと、ピンクの財布を握りしめていて……
何とも間抜けだった。