第20章 願い叶うなら【O×M】
何をやっても上手くいかなかったのが嘘みたいに、面白いように仕事が来るようになった。
忙しい生活に慣れていないから、正直キツイときもあったけど、潤が居てくれるから頑張れた。
占い師に言われるままに、俺のところに来た潤は、まだ少年のようで……
始めのうちは毎晩、翔くんを恋しがって泣いていた。
それを慰めて一緒に寝るうちに、当然そういう関係になった。
それが、本当にあの占い師の言ったことを信じて貫いた結果なのか?
ただ単に、機が熟したのか?それは分からない…
「ねえ~、大野さん♪今度さ、温泉行こうよ~、露天風呂から富士山が見えるところ」
「え~?ヤダよ…だって潤、目立つからさ~、絶対バレるじゃん」
「大丈夫だって、マスクしてサングラス掛けるから!」
「その方が目立つんだよ!」
収録後の楽屋で、潤は当たり前のようにこんな話をする。
ニノも相葉ちゃんも、いつもの事と知らん顔をしてる。
翔くんは、そんな俺たちの事、笑って見てる。
潤は気付かないけど、そんな翔くんと顔を見合わせ、俺は肩を竦めた。