第20章 願い叶うなら【O×M】
結局、俺は潤と富士山が見えるホテルにやって来た。
一応文句は言うけど、潤の願いはほとんど叶えてやっている。
今夜だって、潤が望むままに、部屋付きの露天風呂で仲良くして、ベッドでも…
すっかりクタクタの潤は俯せで眠っている。
いつもの可愛い顔…
翔くんがよく、天使だって、そう言ってたっけ。
こんな風に寝ちゃったときは、絶対に起きないんだよ…
それはずっと昔から、変わらないんだ。
「ふふっ、可愛い❤いい夢見てね♪」
俺は潤の頬にキスをして、
部屋を出た。
実は、あの占い師にもう一度会ったんだ。
だって、2番目から1番目に代わっても、全然良くならないんだもん。
翔くんも焦ってたんだよ。
『これじゃダメだ』って。
そんで、二人で占い師を訪ねたんだ。
そしたら……
『幼き男に秘め事を作れ。1番と2番とで他を欺くべし』
俺と翔くんは顔を見合わせたまま固まった。
人気に火が付いたのは、それから1年後だった。
コンコンコン…
「俺…」
開いたドアから翔くんが顔を出した。
【END】