• テキストサイズ

夜空に煌めく星たちよ【気象系BL】

第20章 願い叶うなら【O×M】



「じゃあ、翔くん…行ってくる」

玄関でくるりと振り返って、潤は俺を見つめた。

今にも涙が零れそうな、キラキラした瞳が俺をじっと見つめている。

スーツのポケットには『enjoy』の赤い文字…
そのセンスは、どうかと思うけど…


「カッコいいよ、潤…それならニノに負けてない♪頑張って!」」
「……翔くん!!」

潤が俺の首にしがみ付いた。

「翔くん、今までありがとう。楽しかったよ…」
「俺もありがと。これからも、側にいるから…」
「うん…」

俺達のやり取りを、隣でじっと智くんが見ていた。

明治神宮まで送っていくため。
そしてその後は、潤は智くんと家に帰る。


「後は、頼むね」
そういう俺に、智くんはゆっくりと頷いた。


占いなんかにここまで傾倒して、と軽蔑されるかもしれない。

それでも、俺達は『山の頂を極める』そう信じて、今までやって来たんだ。


俺は潤を愛していたのか?

それは分からない…

でも……


こうして、智くんと出て行く潤を見送った俺は、胸の奥の小鳥がザワザワ騒ぐのを、必死に抑えていた。


/ 349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp