第20章 願い叶うなら【O×M】
その占い師は、燃え盛る炎の中に、怪しげな小枝を何本か入れ、よく分からない呪文を唱えた。
…………
何だよ?何も起きないじゃん?
と思ったその時、
一瞬火柱が天井まで上がった。
「わああ///」
俺達は驚いて後ずさりした。
「見えたぞ……」
見えたっ…て?
急に上がった火柱以外は、何も…
「お前たちは必ず山の頂を極める。それには…」
じいさん…じゃなかった!占い師はゆっくり俺達を指差して、それを潤で止めた。
「一番幼きお前は2番目の男に全てを託せ。そして成人を迎える朝より、1番目の男の元に移るんじゃ…」
2番目??
1番目……って?
『藁をも掴む』
話し合った結果、俺達はそんな思いでその占い師のお告げに従ったんだ。
成人式まで、2番目の男…つまり俺。
そして、今日から1番目の男、智くんに、潤を……
例えて言うなら、いつ出るのか分からない種に、毎日水をやるような……
それから、俺は潤と暮らしてきた。
潤はいつの間にか、可愛い弟から、目の離せない愛しい存在へと変わっていった。
そんな潤を...今日、手放す…
「潤…起きてよ」
俺は可愛い寝顔にキスを落とした。