第1章 仰せのままに…【S×M】
「しょおくぅ~ん、出来たけど…食べれる~?」
「え?ホントに?もう、腹減ってたんだよぉ~…って、すげぇ~じゃん!全部、松潤が作ったの~?」
「…うん」
「マジかっ、尊敬するわ!すげ~な…」
今夜のメニューは、サバのみぞれ煮、肉じゃが、豆腐とわかめの味噌汁に、キャベツの浅漬け
実はハワイに行く前に自分で作って食べた自信作…
もう既に練習済みっていう訳
嬉しそうな顔して、翔くんは椅子に座ろうとして思い出したように、俺を見てから、そっと手を伸ばし俺の首を掴むと
「松潤…ありがと」
そう言ってキスをした
………
……………
…えっ??
今何が起こった!?
完全に思考が停止した俺は、そのまま馬鹿みたいに突っ立ったまま固まった
「…ね~」
「……」←絶賛硬直中
「おい!」
「……」←息もしてない
「ほらっ!!」
翔くんが俺の肩を掴んで揺さぶってくれたお陰で、戻って来れた…実際呼吸さえもしてなかったから、危ないとこだったぜ…
「腹減った!早く食べたい~」
「あ、うん…そだね…味は、どうかな~…」
まあ、自信はかなりあるけど…
無理矢理笑顔を張り付けて、彼の前に腰を下ろした俺は、嬉しさと驚きとで、椅子から3㎝ほど浮かび上がっていた
翔くんが、夕飯のお礼にキスしてくれた!!
翔くんが…お礼に…
あああああああ、
もう俺、死んでもいいかも( *´艸`)
この時の俺は、
この後もっと凄いことが待っているってことを、キスされた悦びで、すっからかんと忘れていたんだ
つ~か、そこまで考えが及ばなかった、という方が正解…かな?