第1章 仰せのままに…【S×M】
………
「あ、ごめん…散らかってて…荷物片付けようと思って出してたら、なんか、収集つかなくなっちゃって…」
そう言って頭を搔く翔くんに、キュンキュンくる…(≧▽≦)
「ご飯食べたら、一緒に片付けようよ♪」
「え~、悪いよ…こんなの、こうやって…こうして…」
翔くんはそう言いながら、リビングに広がった荷物を脚で蹴散らし始めた
「ちょっ、ちょっと!止めてよ~!そのままにしといて!俺もやるからさ」
「え~?ああ、そっか…悪り~な…」
「いいって!急いで作っちゃうから、待ってて」
「おお!じゃ、俺、洗濯するわ~!後、風呂も掃除しよ~っと♡」
ふ、風呂掃除…しかも語尾に♡付けたよね~(^^;
急にドキドキと心拍数が上がった俺は、素知らぬ振りを装ってキッチンに入った
翔くんは、そんな俺には気付きもしないのか、鼻歌を歌いながら、洗濯物の山を抱えて風呂場に行ってしまった
「ありがとうのぉ~、思いを伝えたいよぉ、そおっと~、君の元へ~♪」
俺は、翔くんのご機嫌な『マイガール♪』を聞きながら、スーパーの袋を開けた
好きな人のためにご飯を作るって、こんなに楽しかったんだ…と、改めて気付いたよ、俺…
『あ゛あ゛~、もう!!』
『っんだよ、ったく///』
時々翔くんがリビングで怒りの声を上げる
ビクッとして見ると、どうやら自分の片付け下手にイラついているようだった
そんな翔くんの姿に、秘かに笑いを噛み殺しながら、俺は夕飯の支度を急ピッチで進めた
その甲斐あって、ダイニングには、自分で言うのも何だけど、彩鮮やかに、『愛する人のための和食』が完成した