第16章 バレンタインは甘く【O×N】
いろんな具材と、大量のチョコレートを買い込んでマンションに帰ってきた俺は、早速智と一緒にチョコレートマウンテンの準備に取り掛かった。
「何だよこれ?トマトってありか~?」
「いいじゃん!ニノこそ、ハンバーグってダメでしょ?」
「あなたのさきイカよりはいいと思うよ~」
そんな風にワイワイ準備するのも楽しかった。
「さて、始める前にさ、風呂入っとくか?」
「はあ~?何でよ?チョコで汚れるかもしんないじゃん!後でいいよ、後で」
渋る彼を強引に風呂に誘い、俺たちは身体を隅々まで清めた。
俺はもう、下ごごろありありなのに、智は最後まで、『何で風呂が先~?』とごねていた。
マウンテンからは綺麗なチョコの滝が流れ落ちていた。
「最初は、マシュマロ、定番でしょ?」
「じゃ、俺イ~チゴ♪」
「かまぼこ、いけるって!」
「じゃ、プリッツ…」
俺はチョコを付けたプリッツを咥えて、その反対側にもチョコをつけ、智に無言で差し出した。
「えっ?…マジかっ」
とか何とか言いながら、嬉しそうに鼻の下伸ばして俺のプリッツにかぶりついた。
両側から食べていき、あと少しで唇……っていうところで、俺は口を離した。
はあ~?って顔して俺を見る智…
……楽しい❤
ハンバーグを付けて俺に反対をかじれという彼に、
「今はいいや」と乗ってやんない…
膨れる顔が、マジで可愛い❤