第1章 仰せのままに…【S×M】
離陸前、帰りのジェットの中、
泣きそうな心を抱き締め、目を閉じたその時、
スマホが震えた
その不規則なバイブは、紛れもなく翔くんだ
慌ててメッセを確認すると、
『今夜来れる?』と一言だけ
やったぁぁぁぁ――――――っ///////
スマホの電源落とす前でよかったぁぁ~(≧▽≦)
『まちろん!!』
あ……急いで返信して間違えた
慌てて『もちろん』と打ち直したら、
前の席で翔くんが爆笑した
何事だろうと様子を伺う3人に分からない様に、俺は一人、雑誌で緩んだ顔を隠した
翔くんが…
翔くんが俺を……
俺を誘ってくれた!!
ついに今夜…
俺は正真正銘、翔くんの嫁になる♡♡
『一反帰って荷物片付けたら、直ぐに行くよ』
平静を装ってそう打つと、
『待ってる』
そう直ぐに戻って来た
翔くん……
しょうくん…
翔くん、大好き♡
成田までの機内、
夜に備えて少し眠らないと、
そう思っても、どうしても眠れず…
ドキドキする期待と
初めて受け入れる不安とで、
心臓がバックンバックンしていて、
眠るどころか、強めの酒を貰って飲んでも、
全然酔えなかった
翔くん……
大野さんの後、誰かと過ごした?
こんな気持ちになるなら、翔くんに回数券とか渡して、みんなが同じ数になるようにして欲しいって…
そう言えばよかったかも(*´з`)
でもあの時は、嬉しくて、舞い上がってて、
それどころじゃなかった…んだよな~…4人とも
日本に着いて、俺たちはそれぞれが帰宅した
俺は、マンションに戻って、大急ぎで洗濯機を回し、風呂に入って、身体を清めた
丁寧にゴシゴシし過ぎて、あちこち赤くなってしまったくらいだ
荷物を簡単に片付けると時刻は夕方の5時過ぎだった