第1章 仰せのままに…【S×M】
そして、少しの期待と、
少しの不安を抱きながら…
抱いたまんま、俺たちのハワイの全日程を終了した
大野さんの後に、ニノか相葉くんか…
まさかとは思うけど、大野さんか…
誰かが翔くんと甘い夜を過ごしたか否か、
それは分からない…
誰もその話をしないから。
『ハワイ協定』には、翔くんとの時間を過ごしたら『報告すること』という取り決めはしなかった
一回相葉くんが提案したけど、
『その必要はなし』の結論で落ち着いた
皆、思いは一つ…
自分が、ひとり抜きんでていればいいだろう…
翔くんの寵愛を独り占めしている側室のように、余裕ぶっこいていればいい…
でも、そうじゃなかった場合……(。-`ω-)
それは、普通じゃいられない…かもしれない
だから、翔くんと甘い夜を過ごしても、
それは自分たちからは決して言わない事…
そう決めた
まあ、翔くんの方が『○○~、夕べは良かったよ~♡』
何て言って、他の誰かに聞かれても、
それはノーカウントとしよう…と…
だから、ハワイでの残りの日々の中で、
誰かが、翔くんの愛を受け止めていたとしても、
それは翔くんと本人しか知らないことなんだ
そして、悲しいかな、
それは俺ではない……
それは紛れもない、動かしがたい真実…
もしかしたら…
という淡い期待は、ハワイの波間に泡となって消えた
毎晩、打ち砕かれた期待を胸に、
身体の隅々まで、ご丁寧に洗い上げていたという、悲しい事実は、傷心の胸に仕舞いこんで……
俺たちは、ハワイの地を後にした