第12章 遠花火 【O×S】
そんなあっさりとした告白で、
その先はどうなってくのかと思えば、
その夜、俺は当たり前のように、
智くんに抱かれた。
俺がいろいろ悩む前に
ヤッちゃいたかったんだって、彼は言った。
…まあ、確かにそれは一理ある。
先のこと、いろいろ段取って、
計画たてる俺のことだ。
つきあうって言っても、どうするのか、
どっちがスル、のか、
いろいろ悩んで考えて、頭の中、
一杯になってただろう。
そんなこと考えたり下調べする間もなく、
気が付いたら、
雄の顔した智くんに揺さぶられてた。
もちろん、そんな経験もなかったし、そうなるなんて想像したこともなかったけど。
智くんが、すげぇ優しくて、
俺のこと大切に抱いてくれたから…
それも、あり…っていうか、
それでよかったのかな?
って……
最初っからそんなだからさ、
もうずっと、彼のペースで、
俺はいつも受け身な訳。
テレビはもちろん、人前では、
真逆な感じに見えるかもしれないけど、
亭主関白なお父さんみたいな彼と、
従順な奥さんみたいな俺。
それが不思議と嫌じゃなくて…
そんな二人の関係は、
微妙なバランスを保っていた。