第1章 仰せのままに…【S×M】
それから午後の集合まで、午前中はそれぞれが思い思いに過ごすことに。
ソファーに寝転び、スマホを弄りながら、
思い出すのは夕べのこと……
大野さん、すげー酔ってたもんな〜
4分の1とはいえ、
翔くんの妻として、
横並び、ただのメンバーからの昇格が、相当嬉しかったんだろうな〜
飲んでる間も、俺たちに、
『翔くんがかっこいい』だの、
『翔くんとこ行きたい』だの、
『翔くんにちゅうしたい』だの、
くどくど言い始めてて……
これはもう、部屋に連れてくべきだろうと、ニノと相葉くんも言ってたくらいなんだ
何しろ、大野さんは
15周年を迎えられたことに、
日々感動して、
毎晩飲んでは泣いてたくらいだから、
精神的にもいっぱいいっぱいだったのかもしれない……
そこへ持って、翔くんの
『みんなと付き合う宣言』
平常心でいられる訳がなかったんだ
俺も迂闊だったよ
あんなべろべろの大野智を、TV画面に晒しただけじゃなく、
翔くんのハートも持ってかれたんだから。
とんだ道化だよ……
忘れもしないよ
午後のロケに、翔くんに付き添われて登場した大野さんの、
勝ち誇った顔……
あの人のあんな顔を見たのは初めてだった
悔しくて
奥歯を思い切り噛み締めた瞬間だ
それは多分、
ニノと相葉くんも同じ気持ちなんだろう
その日の夜には、大野さんを含む俺たち4人、翔くんに内緒で、ニノの部屋に集合し、
翔くんに対する俺たちの約束を決めた
最初に言った、
こっちからは誘わない、などの、協定だ
俺たちはこれを、後に、
『ハワイ協定』と呼んだ